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​<とくながブログ>

  • 執筆者の写真とくなが美術

「とくなが美術」現代アートの世界を学ぶ  part 2

歴史を象徴する作品を描く ~現代アーティスト~ 井上賢一氏と共に!


現代アートは何を描いているのかわからない?

◇ ◇ 井上(以下 井:)さんに徳永(以下 徳:)がお聞きします。


徳:) 色彩豊かで華やかな現代アートを見ると何となくいいなと思いますが、一体なにを描いているのか、わかりません! ギャラリストは称賛しているので私だけわかっていないのかとても不安なりますが!

井:)現代アートの出発点は もともと「見る」という事は何だろう?というのが最初だったんです。徳永さんが好きなポールシニャックは印象派の画家ですが、当時カメラが発明によって、眼球のメカニズムが再現され、カンバスにカメラのメカニズムを再現していった結果が印象派の誕生で当時は新鮮だったんですよ。カメラが登場するまでは、絵画というものは室内で描くものでしたし、野外で描く事は考えられないものでした。野外に出て初めて光の意味や反射 時間帯によって見え方が違ったり、等々 当時はそれが新鮮だったんですね。




徳:)現代アートも「見る」ことがスタートラインになっているとは驚きです。

アーティストの感性のままでキャンバスに描いていると思っていました。

井:)現代アートも 「見る」とは何だろう?という延長にあるのです。今は「見る」という視点から いろいろ派生して物質にさわった感触や音などと繋げて、現実とは?何だろう?存在とは何だろう?と 模索しているんです。「現実」というリアリズムを追及していったところがあるのです。ミニマルアートやモノ派と言われている作家などが「現実」という究極のリアリズムを模索した結果だと思います。

一方で、そんな「見る」というメカニズムを追及して何になる?という人も出て来て、どちらかというと 表現主義と言われている作家などがそうですね。代表的なのがムンクやルソーなど幻想的な作品。どちらかというと分かりやすい。個人の妄想や情念を題材にする作家は 見やすいのではないですか?

ですから 上記の答えは「現実」というリアリズムを追及している作家の方々です。

その原点がカメラの発明による「見る」という事のメカニズムがスタートです。

よくよく考えてみると「見る」という事は不思議なもんです。

徳:)現代アートは不思議な世界だと思っていましたが「見る」ことが

原点だとわかり一歩前に進めたと思いますご説明有難うございました。

井上さんの作品で「見る」ことに関して特に想いれ入れのある作品はありますか




井上賢一 「鱗 2」 杉板にアクリル・バーナー

井:) 「鱗 2」 という作品をご紹介いたします。

2018年9月に制作した作品で、ある形に注目して「見る」ことを突き詰めました。

徳:)画面に△三角が浮き出て見えますね。よく「見る」と数か所あるようで・・・


井:)木目の美しさと、三角という形を暗示的に提示する事で、何らかの想像力を喚起する。三角という形は、我々の社会の中で、あらゆる所で記号化され意味と意図を持って機能しています。作品を「見る」人に個々の三角に纏わる思いが偲ばれればと思い制作しました。

徳:)私が見える三角と、他の方が見える三角の意図はそれぞれ違うんですね。

大変興味深くこの作品を鑑賞できることが出来ました。ところで素人の目線で描いている素材は杉板ですが、キャンバスではないから制作に苦労されませんか?



井:)勿論制作途中で失敗する場合もありました。真っ二つに割れたり、歪曲したりと!

木の持つ年輪や、子供の頃見た家の天井を見上げた際の渦を巻くような木目の情景を描いて行きたいと思っています。

徳:)井上さん有難うございました。今回は描いた作品に更に歩み寄ってわかり始めた

ことがありました。次回は井上さんの代表作「蛇の目」について、ご説明を頂きながら現代アートを学んでいきたいと思います。

◇井上賢一さん作品にご興味がある方は、「とくなが美術」へご連絡ください。

これから色々と作品を紹介していきますので、お楽しみに!




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